プレスリリース 2019 年 6 月 3 日

Apple、完全に新しくなったパワフルなMac Proと、革新的なPro Display XDRを発表

完全に新しくなったMac Pro。
まったく新しい、完全に再設計されたMac Proは、最高レベルの処理能力、拡張性、システム構成の可能性を誇ります。
カリフォルニア州サンノゼ―Appleは本日、Macでできることの限界を押し広げていくプロのために完全に再設計された革新的なワークステーションとして、まったく新しい Mac Pro を披露すると共に、世界最高クラスのプロ仕様ディスプレイとして Apple Pro Display XDR を発表しました。最高レベルのパフォーマンス、拡張性、システム構成の可能性を実現するために設計され、完全に新しくなったMac Proは、最大28コアまで拡張できるワークステーションクラスのXeonプロセッサ、1.5TBという膨大な容量もサポートする高性能なメモリシステム、8基のPCIe拡張スロット、世界最速レベルのグラフィックカードをサポートするグラフィックスアーキテクチャを特長とします。これに併せて、8K ProRes RAWビデオストリームを3本まで同時再生できる画期的なアクセラレーターカード、Apple Afterburnerも発表しました。
Pro Display XDRは、巨大な32インチRetina 6Kディスプレイで、鮮やかなP3広色域と10ビットカラー、ピーク輝度は極限レベルの1,600ニト、コントラスト比1,000,000:1、超広視野角を特長としつつも、これを画期的な価格で実現します。新しいMac ProとPro Display XDRの組み合わせは、Appleがこれまでプロユーザー向けに提供してきた中で最もパワフルなツールで、プロのワークフローを完全に変えてしまう可能性を秘めています。
Retina 6K解像度を備えるPro Display XDR。
Retina 6K解像度、鮮やかな発色、極限レベルの明るさとコントラスト比を備えるPro Display XDRは、世界最高レベルのプロ仕様ディスプレイです。
「新しいMac Proは、極限レベルのパフォーマンス、拡張性、システム構成の可能性を備えたモジュラー型のシステムを必要とするユーザーの皆様のために設計しました。強力なXeonプロセッサ、莫大なメモリ容量、革新的なGPUアーキテクチャ、PCIe拡張、Afterburnerアクセラレーターカード、そして驚きのデザインといった特長を備えた新しいMac Proは、プロの皆様が人生最高の仕事を成し遂げることを可能にするモンスターマシンです。Pro Display XDRは世界最高レベルのプロ仕様ディスプレイで、新しいMac Proの最高のパートナーです。Retina 6K解像度、鮮やかな発色、極めて高いレベルの明るさとコントラスト比、高度に機能的なデザインなどを特長とするPro Display XDRは、この価格帯のディスプレイで過去に提供されてきた中で最も包括的な機能セットをお届けします」と、Appleのワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデント、フィリップ·シラーは述べています。
Mac Pro上部のハンドル。
滑らかなタッチのハンドルを持てば、Mac Proをスタジオ内で簡単に移動できます。
Mac Proのアルミニウム製ハウジングを引き上げて内部のシステムを見えるようにした様子。
Mac Proでは、360度どこからでもシステム全体にアクセスできるアルミニウム製のハウジング(筐体)を採用しています。

プロセッサのとてつもない処理能力と膨大な帯域幅

映像作品のレンダリング、何百ものバーチャルインストルメントの同時再生、何十ものiOSデバイス上でのアプリケーション実行を同時にシミュレーションするなどの業務で究極のCPU性能を求めるお客様のために、Mac Proは最大28コアのパワフルなXeonプロセッサを搭載でき、64本のPCI Expressレーンを駆使することにより、とてつもない処理能力と膨大な帯域幅を得ることができます。また、最先端の熱アーキテクチャを装備して合計300ワット超の電力を供給できるので、プロセッサは一切の制約を受けることなく常に最大の能力を発揮できます。
Mac Proが備える最先端の熱アーキテクチャによる空気の流れ。
最先端の熱アーキテクチャにより、Mac Proのプロセッサは一切の制約を受けることなく常に最大の能力を発揮できます。

膨大なメモリ容量と拡張性

大規模なプロジェクトでの制作、巨大なデータセットの解析、複数のプロ向けアプリケーションの実行などに取り組むプロの皆様のために、Mac Proは拡大するニーズに合わせて膨大なメモリ容量をサポートします。新しいMac Proは6チャンネルのメモリアーキテクチャと計12の物理DIMMスロットを備え、Macでは今までで最大容量となる1.5TBもの膨大なメモリを構成できます。さらに前世代のタワー型Mac Proから2倍に増えた、計8基のPCI Express拡張スロットを駆使することで、これまで1台のワークステーションでは実現できなかったようなシステムのカスタマイズまたは拡張が可能となります。
Mac ProはパワフルなXeonプロセッサを備えています。
Mac ProにパワフルなXeonプロセッサを最高28コアまで搭載すれば、とてつもない処理能力と膨大な帯域幅を得ることができます。

世界で最もパワフルなグラフィックスアーキテクチャ

3Dフィルム素材のアニメーション、8Kシーンの合成、複雑な3D環境の構築に取り組むプロにとって、グラフィックパフォーマンスがますます重要になっています。だからこそ、新しいMac Proは世界最速レベルのグラフィックカードと、最大56テラフロップスに及ぶグラフィックパフォーマンスを1台のシステムで実現しました。その革新的なまでのグラフィックス拡張アーキテクチャはApple MPX Moduleと称し、Thunderboltと統合して500ワット超の電力供給もサポートしますが、どちらもグラフィックカードの機能では初となります。非常に静かな動作を実現するために、MPX ModuleはMac Proシステムの熱管理により冷却されます。
Mac Proのグラフィックス(GPU)オプションは Radeon Pro 580X から用意されます。新しいMac Proと共にデビューを果たす Radeon Pro Vega II は最大14テラフロップスの演算性能とメモリ帯域幅1TB/sの32GBメモリを備える最高クラスのGPUです。同じく新たに登場する Radeon Pro Vega II Duo はとてつもなく高い28テラフロップスの計算能力と64GBメモリの搭載を可能とするVega II GPUを2基備え、世界最速のグラフィックカードを実現します。Mac ProはMPX Moduleを2台擁することができるので、それぞれにVega II Duoを装備すれば、描画性能は驚異の56テラフロップスまで高まり、ビデオメモリも128GBまで利用可能となります。

画期的なアクセラレーターカード、Apple Afterburnerの登場

新しいMac Proと共に登場するAfterburnerは、毎秒最大63億ピクセルのスピードでデコーディングを実行できるプログラム可能なASICを搭載しています。高品質カメラのネイティブファイル形式を編集しやすいようにプロキシに変換していたような場合、今後はAfterburnerを利用することにより、カメラからネイティブ形式をダイレクトに読み込みながら、8K ProRes RAWビデオなら最大3ストリーム、4K ProRes RAWビデオなら最大12ストリームまでリアルタイムでデコードできるので1、プロキシを用いる作業は実質的に不要になります。
ビデオ編集画面を表示中のPro Display XDRに並んだMac Pro。
新しいMac Proと共にAfterburnerを利用すると、8K ProRes RAWビデオなら最大3ストリーム、4K ProRes RAWビデオなら最大12ストリームまでリアルタイムでデコードできます。

360度の内部アクセスが可能な美しいモジュラー式のエンクロージャ

新しいMac Proのデザインは、ステンレススチール製の立体フレームと、システム全体に360度からのアクセスを可能とするアルミニウム製のハウジング(筐体)を大きな特長としています。このフレームがモジュラー構造と柔軟性をもたらす基礎となり、ここにはMac Proをスタジオ内で簡単に移動させるのに便利で滑らかなタッチのハンドルも収まっています。このハウジングは美しい格子パターンを備え、これが空気の流れを最大限まで高め、静音性を実現した稼働が可能となります。新しいMac Proを編集卓やマシンルームでラックを使い収納したいユーザーのために、ラックマウントに最適化されたバージョンのMac Proも今秋に登場する予定です。
Mac Proの背面に用意された冷却用ファン。
3基のファンによりMac Proの内部に空気が流れ、システムを冷却します。

プロのワークフローを変革するパフォーマンス

最大28コアのXeonプロセッサ、56テラフロップスのグラフィックパフォーマンス、画期的なAfterburnerカードを搭載することで、新しいMac Proはプロのワークフローを完全に変えてしまうような演算性能を提供します。プロ向けアプリケーションのデベロッパの多くが、これまでワークステーション1台では決して得られなかったような驚きの結果を目にしています。
  • Blackmagic Design―フル稼働のCPUおよびマルチGPUによって高速化した、ProRes 4444形式での8Kリアルタイム編集、エフェクト、色補正が初めて可能になります。
  • Avid―最大6枚のHDXカードのサポートに対応することで、Mac Pro以外のシステムでPro Toolsを稼働させた場合よりも多くの入出力数、発音数の増大、リアルタイムDSP処理の倍増などが実現します。
  • Maxon―NVIDIA Quadro RTX 8000カードを3枚装備して最大限に高速化したWindowsワークステーションと比較した場合、新しいMac Proで稼働するCinema 4DはGPUのレンダリング性能が20パーセント高速になります。
新しいMac Proのその他のパフォーマンスの結果は、apple.com/mac-pro をご覧ください。
デスク上のPro Display XDR。
Pro Display XDRは過去最大となるRetinaディスプレイを搭載し、超鮮明な高解像度の視覚体験を提供します。

Pro Display XDRは過去最大となるRetinaディスプレイを搭載

Pro Display XDRは、2000万以上のピクセルで構成されるRetina 6K解像度(6016×3384ピクセル)の32インチLCDパネルを搭載し、Retina 5Kディスプレイよりも約40パーセントも広い画面領域で、超鮮明な高解像度の視覚体験を提供します。P3広色域と真の10ビットカラーにより10億色以上の表示が可能なので、プロの皆様は、映像·写真の編集、3Dアニメーション、カラーグレーディングといった作業に欠かせない、きわめて現実(実物)に近い視覚体験を味わうことができます。Pro Display XDRは業界最高クラスの偏光子技術を採用したことで、正面以外から見ても正確な色が表示できる超広視野角を実現しており、複数人で同時に画面を見た場合にも同じ内容でより正確に見られるようになります。反射光を抑えるために、Pro Display XDRでは業界トップクラスの反射防止コーティング技術を採用しており、反射率を下げて映り込みを抑えるために、ディスプレイ表面のガラスにナノメートルレベルの微細なエッチングを施す「Nano-texture」と呼ばれる画期的で新しいマット仕上げのオプションも用意しました。
Pro Display XDRのバックライトシステム。
Pro Display XDRは、LEDの巨大なアレイ(配列)を用いたダイレクトバックライトシステムを採用し、フルスクリーン輝度で1,000ニト、ピーク輝度で1,600ニトを実現しています。

コンテンツを生き生きと見せる極限まで広いダイナミックレンジ

現実世界で見えるものが正しく見えるように、Pro Display XDRではハイダイナミックレンジ(HDR)を完全に新しい極限レベルまで押し上げました。Pro Display XDRは、LEDの巨大なアレイ(配列)を用いたダイレクトバックライトシステムを採用し、フルスクリーン輝度で1,000ニト、ピーク輝度で1,600ニトを実現しており、この数字は一般的なディスプレイをはるかに凌ぎます。アルミニウムの格子パターンをヒートシンクとして利用する先進的なサーマルシステムにより、Pro Display XDRはフルスクリーン輝度の1,000ニトをいつまでも保つことができ、この価格帯のディスプレイでは決して得られなかった数字を実現しています。さらに 1,000,000:1 という驚愕のコントラスト比により、画面に映し出されるイメージは、最高に明るい鏡面ハイライト、漆黒のブラック、そしてその中間にあるあらゆるディテールの色で表現されます。
Pro Display XDRではハイダイナミックレンジを新たな極限まで押し上げました。
Pro Display XDRではハイダイナミックレンジを新たな極限まで押し上げ、ピーク輝度で1,600ニト、1,000,000:1という驚愕のコントラスト比を実現します。

プロのワークフローに配慮した美しく柔軟なモジュラーデザイン

Pro Display XDRは、美しいアルミニウム製のエンクロージャに収めた端から端まで広がるガラスと9ミリメートル幅の細い境界といった高度に機能的で柔軟なデザインを特長としています。Pro Standは巧妙に設計された専用アームで、Pro Display XDRを完璧なバランスで支え、ほとんど重さを感じさせずに、ディスプレイを狙った位置に簡単にセットできます。Pro Standでは画面の傾きと高さを調節でき、Pro Display XDRを回転してポートレート(縦長)モードに切り換えることもできます。これは写真のレタッチ、ウェブページのデザイン、プログラミングのような作業に向いているでしょう。Pro Standは取り外しが簡単で、素早く取り付け·取り外しできるので、ロケ現場に持っていくことも可能です。ディスプレイマウントに独自の要件を求めている場合は、Pro Standの代わりにVESAマウントアダプタを取り付けることも可能です。Pro Display XDRは、新しいMac Proを含む、Mac製品とThunderbolt 3ケーブル1本でスムーズにつながります。Mac Proと接続する場合には6台までのディスプレイをつなぎ、息を呑むような最大1億2000万ピクセルの広大な画面を得ることもできます。
回転してポートレートモードに切り換わるPro Display XDR。
Pro Standでは画面の傾きと高さを調節できるほか、Pro Display XDRを回転してポートレートモードに切り換えることもできます。
価格と販売について
新しいMac Proの販売価格は5,999米ドルを予定しており、受注は今秋より開始します。Pro Display XDRの販売価格は4,999米ドル、Pro Standは999米ドル、VESAマウントアダプタの価格は199米ドルを予定しています。今秋よりオーダーしていただける予定です。その他の技術仕様、CTOオプション、アクセサリの詳細は、apple.com/mac-pro および apple.com/pro-display-xdr をそれぞれご覧ください。※文中の表記は、米国での価格です。

Mac Pro と Pro Display XDR の画像

    1 384GBのRAMを装備した2.5GHz/28コア仕様 Intel Xeon W 搭載Mac Pro試作モデル(Infinity Fabric Linkで相互接続された、それぞれに32GBのHBM2を装備した2基の AMD Radeon Pro Vega II グラフィックスを備え、Afterburnerと4TB SSDで構成)を使用し、2019年5月にAppleが実施したテスト結果に基づきます。テストしたMac Proシステムにはいずれも5Kディスプレイを1台接続しています。Final Cut Pro Xプレリリース版のテストには、50秒のピクチャinピクチャプロジェクト(8192×4320ピクセル/毎秒29.97フレームのApple ProRes RAWビデオ×3ストリーム)、50秒のピクチャinピクチャプロジェクト(4096×2160ピクセル/毎秒59.94フレームのApple ProRes RAWビデオ×7ストリーム)、50秒のピクチャinピクチャプロジェクト(4096×2160ピクセル/毎秒29.97フレームのApple ProRes RAWビデオ×12ストリーム)、5分のピクチャinピクチャプロジェクト(4096×2160ピクセル/毎秒30フレームのApple ProRes 422ビデオ×16ストリーム)をそれぞれ用いています。パフォーマンステストは特定のコンピュータシステムを使って実施したもので、Mac Proのおおよその性能を示しています。

本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先:

Apple Japan 広報部

press@apple.co.jp

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