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プレスリリース 2020 年 6 月 23 日

Apple、デベロッパに向けて次世代のアプリケーションを推進する
新しいテクノロジーを公開

デベロッパはパワフルなAPIを通じて斬新なアプリケーション体験を創出可能に

Xcodeプロジェクトの作業環境をMacBook Proで表示した様子。
Appleの全プラットフォームに向けたあらゆる開発作業の中心となるXcode 12が、新しい外観を備えて登場しました。
カリフォルニア州クパティーノ―Appleは本日、2,300万人を擁するデベロッパコミュニティが将来のアプリケーションを設計し、構築することを支援する新しいテクノロジーの強力なラインナップを発表しました。これらの新しいツールは、業界をリードするAppleの各プラットフォームに向けて、デベロッパがさらに強力なアプリケーション体験を生み出せるようにするとともに、その事業の経営と成長を支援します。Appleがデベロッパに対して毎年実施している調査に加え、WWDC20では拡張されたApp Storeラボも実施することで、全世界から集まるデベロッパたちが意見を共有し、App Storeに求める将来的な改善点などを伝えられるようにしています。Appleはまた、デベロッパが提案を伝えられるような意見交換の場を今後一年を通して新設していきます。
「Appleのデベロッパコミュニティは、10億人以上のユーザーに役立ち、業界を変革し、世界に変化をもたらすようなアプリケーションを通して、私たちに刺激を与えています。今回のWWDCでは、デベロッパがアプリケーション体験をさらに進化させ、より多くのユーザーに届けるのを支援すべく設計された、画期的な新しいAPI、フレームワーク、ツールを紹介しています。App Storeの経済圏はこれまで以上に多様かつ躍動的に成果をあげています。一方で、App Storeを誰にとってもより良いものにするために、私たちがもっと協力しなければならないことも理解しています。今年のWWDCでは、オンラインのApp Storeラボを用意し、毎年行っているApp Storeデベロッパの調査を拡大していますが、これは多くのデベロッパの声を直接聞くことで、私たちがApp Storeをデベロッパやユーザーのためにどのように改善できるか知りたいからです」と、Appleのワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデント、フィル·シラーは述べています。

ユーザーに届ける新たな手法をApp Clipとウィジェットで

App Clipを利用すると、ユーザーはNFCや共有リンクなどを使うことのほか、App Clipコードと呼ばれる新しい視覚的な目印を通じて、素早く簡単にアプリケーションを見つけることができます。App Clipは数秒以内で起動し、ユーザーは完全版のアプリケーションを部分的に体験できる一方で、デベロッパにとっては自分のアプリケーションが最も便利に使える場面でユーザーに紹介できるようになる楽しくて新しい方法になります。ユーザーはApp Clipの中で1回タップするだけで簡単に完全版のアプリケーションをインストールできます。
ウィジェットはさらに役立つように再設計され、ユーザーはひと目でタイムリーな情報を得られるようになりました。ホーム画面のページにウィジェットを配置することで、そのウィジェットの機能はデバイスの画面を見ればいつでも利用できます。新しいSwiftUI APIを利用することで、同じコードを使って、iOS、iPadOS、macOSのそれぞれに対応するウィジェットを作ることができます。

Appleプラットフォームへのアクセスをさらに拡大

今年、Appleはデベロッパに対して、ユーザーのプライバシーとセキュリティを守りながらパワフルな機能性を提供できるようにするために、アプリケーションを各プラットフォームの核になる機能に深く組み込ませる手法をさらに提供します。「探す」ネットワークの新しいアクセサリプログラムを通じてApple以外のデバイスメーカーも何百万という無数のデバイスで構成されるネットワークを利用できますが、エンドツーエンドの暗号化は維持されるので探し物をしているユーザーだけが探し物の位置を知ることができる仕組みになっています。HomePodもサードパーティのミュージックサービスを統合できる新しいプログラムを備えています。メールやブラウザのデベロッパは、自作アプリケーションをユーザーにデフォルトとして選んでもらえるようになります。Mac用のSafariが、Chrome、Firefox、Edgeで使われる人気のWebExtensions APIをサポートするようになるので、ブラウザ拡張機能のデベロッパがSafariに対応し、作成した拡張機能をMac App Storeで配布するのが容易になります。
「探す」アプリケーションをMacBook Pro、iPad Pro、iPhone 11 Proで表示している様子。
「探す」ネットワークが、エンドツーエンドの暗号化を内蔵して、Apple以外のデバイスメーカーにも公開されます。

デベロッパの事業経営と成長

Xcodeの新しいStoreKitツールを利用して、サブスクリプション設定やApp内課金、さらには返金のシミュレーションを、すべてデベロッパのローカルなMac環境で試してみることができます。StoreKitの新しいテスト用フレームワークには、デベロッパによる購入ワークフローのテストの自動化を容易にしてくれるものもあります。サブスクリプションの更新と顧客への返金に対応するApp Storeの新しいサーバ通知は、デベロッパがアプリケーション内での顧客体験をうまく管理するのに役立つでしょう。また、App Storeでは購入されたアプリケーションのファミリー共有に加えて、新たにサブスクリプションとApp内課金のファミリー共有にも対応しました。これは家族全員で楽しめるコンテンツを提供しているデベロッパには朗報でしょう。
美しいデザインで刷新されたGame Centerの最新のアップデートを利用することにより、デベロッパがAppleの各プラットフォームで映えるゲームを作ることがこれまで以上に簡単になりました。アップデートは、頻繁に更新されるスコアボード、新しいゲーム内のダッシュボード、Game Centerの友達に人気のあるゲームを見つけることができる遊んでいる友達のおすすめ機能です。

再設計されたXcode

Appleの全プラットフォームに向けたあらゆる開発作業の中心となるのが Xcodeです。そして、Xcode 12はmacOS Big Surにあわせて新しい外観を備えました。新しいドキュメントタブにより、インターフェイスファイルに対応するために複数のファイルを開くような動作が速く軽くなり、ログおよびプロジェクトファイルは各々のタブで開かれます。ナビゲーション用のフォントはシステム標準サイズ、または大中小のいずれかのサイズで設定できます。Xcode 12は、Appleシリコンを搭載した新しいMacに対応するために、デフォルトでmacOS Universalアプリケーションを作成します。
Xcodeのコーディング環境をMacBook Proで表示している様子。
SwiftUIに追加された新機能により、Appleの各プラットフォームを横断するコードの共有がかつてないほど容易になります。

SwiftUIの新しい機能

SwiftUIは、デベロッパに対してモダンなUIフレームワークを提示し、洗練されたアプリケーションのUIをより直感的に組み立てられるようにしました。今年は新しいライフサイクルAPIにより、デベロッパはアプリケーションすべてのコードをSwiftUIで書いて、そのコードをAppleの全プラットフォームで横断的に共有できるようになりました。すでにSwiftUIを使い始めているデベロッパであれば、既存のコードに新機能を簡単に追加できるでしょう。また、新しいLazy APIでは膨大なデータセットでも良好なパフォーマンスが得られます。

Mac Catalystでアプリケーションをカスタマイズ

WWDC 2019でmacOS Catalinaと一緒に登場したMac Catalystにより、デベロッパはiPadアプリケーションを容易にMacに提供できるようになりました。macOS Big Surでは、Mac Catalystは広がりのある新しいデザインを承継しつつ、デベロッパにパワフルな新しいAPIを提供するとともに、アプリケーションの動きをよりコントロールできるようにします。MacアプリケーションをiPadアプリケーションの解像度に合わせておくことも、Macインターフェイスを完全にコントロールして本当にカスタムなMacの体験を作ることも、デベロッパ自身で決めることができるようになりました。デベロッパはMac Catalystで作ったアプリケーションをMac App Storeで175カ国のお客様に配信することができ、ユーザーはユニバーサル購入をすることで、アプリケーションやApp内課金をMac、iPhone、iPadのどれでも簡単に楽しむことができます。
Mac Catalystの新しいAPIは、デベロッパがiPadアプリケーションをMacで提供する際に全く新しいレベルのコントロールを実現します。

拡張されたApp Storeラボと新しいApp Storeレビュープロセス

WWDC20の期間中に、AppleはすべてのプラットフォームのAppleのデベロッパコミュニティーをサポートするためにApp Storeラボを拡張します。過去には、対面でのApp StoreラボでApp Storeの新しい特長や新機能について情報を提供したり優先順位を付けたり、あるいはApp Storeのポリシーの更新についてお知らせしてきました。デベロッパには、今年はバーチャルラボや6月26日まで受け付ける新たなアンケート調査を通じてフィードバックを共有することをお勧めします。この調査は今年で4年目になりますが、これまでに50万人のデベロッパが参加し、TestFlightパブリックリンクやお客様のレビューへの対応機能などのApp Storeのデベロッパのためのサービスの改良に繋がってきました。
Appleはまた今後1年を通して行われる新しいデベロッパフォーラムの期間中にフィードバックを共有するための新たな方法をデベロッパ向けに作ります。これらのフォーラムでは、Appleがデベロッパコミュニティーすべてのメンバーのために、App Storeの体験を常に見直し、改良することができるよう、大小に拘らず提案の共有の場として活用してください。
さらに、アプリケーションのレビュープロセスに2つの変更が加えられ、これらはこの夏に実施されます。第1の変更点は、デベロッパはアプリケーションがApp Storeレビューガイドラインの特定のガイドラインに違反するかどうかについて決定の不服申し立てをできるようになるだけでなく、当該ガイドライン自体に異議申し立てをする仕組みも導入されることです。第2の変更点は、すでにApp Storeで提供されているアプリケーションのバグフィックスについては、法律問題に関わる場合を除いて、ガイドライン違反のために遅れることがなくなることです。デベロッパは次回の提出時に問題に対応することができるようになります。

新しいレベルのプライバシーの透明性

アプリケーションのプライバシーの扱い方について透明性のある説明がされることは、これからユーザーになろうとする人々の信頼を得るために重要なことです。デベロッパはアプリケーションのプライバシーの扱い方についてApp Store上で詳しく説明し、ユーザーは確認できるようになります。これにはそのアプリケーションが集めるデータの種類、そのデータが第三者と共有されるかどうか、そしてユーザーが自身のデータが利用されることを停止できるオプションなどが含まれています。
iPhone 11 Proに表示されるApp Storeの新しいプライバシー情報。
デベロッパはApp Store上で自身のアプリケーションのプライバシーポリシーについてユーザーにより多くの情報を提供し、教育することができるようになりました。

その他のデベロッパ向け機能

  • ARKit 4は、iPad ProのLiDARセンサーと連係して機能するよう設計された新しいDepth APIを使って現実世界に関する情報を捉える新しい方法を採用し、オンサイトアーキテクチャ、デザイン、ランドスケーピング、そして製造などの全く新しいタイプのアプリケーションを可能にします。
  • Core MLのモデル展開および暗号化用の追加ツール、Create MLの新しいテンプレートやトレーニング機能、そして視覚および自然言語のためのより多くのAPIにより、機械学習の開発がこれまで以上に簡単かつ広範囲にできるようになりました。
  • PencilKitに新たに加わったスクリブル機能により、ユーザーがApple Pencilを使って書くことができる文字入力フィールドを持つアプリケーションを簡単に作ることができます。デベロッパはPencilKitを使ってストロークデータにアクセスすることができ、その間にもApple Pencilの入力とシステムタッチジェスチャーの両方をシームレスに扱うことができます。
  • Swift Package ManagerにはAsset Catalogのバンドルとローカリゼーションを簡単に共有するためのリソースのサポートが加わります。また、Numerics、ArgumentParser、そしてSystemのための新しいオープンソースパッケージにより、Swiftはより多くの用途に利用できる優れた言語となります。
  • TestFlightは新たに最大100人のチームメンバーをサポートし、高速なビルド配布が可能になります。
  • AirPods Motion APIにより、デベロッパはリアルタイムでムーブメントデータにアクセスすることができます。
  • デベロッパは、ユーザーが既存のサードパーティアプリのアカウントをAppleでサインインのアカウントにアップグレードできるようにすることができます。
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デベロッパ用ツールとテクノロジーの画像

本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先:

Apple Japan 広報部

press@apple.co.jp

03-4345-2000

Apple Japan 広報部

press@apple.co.jp