プレスリリース
2021 年 6 月 8 日
Apple、安全な共有と新しい洞察の導入により個人の健康を促進
iOS 15により、iPhoneとApple Watchのユーザーは、大切な人やヘルスケアネットワークとヘルスケアデータを共有したり、トレンドを見たり、歩行安定性を測定したりすることができるようになります
カリフォルニア州クパティーノ Appleは本日、ユーザーのための消費者の健康とウェルネスの先進的な洞察と、大切な人をサポートするための新しいツールをプレビューしました。現在のiPhoneとApple Watchの革新的なヘルスケア機能に基づいて、iOS 15は、ユーザーが自分のデータを、家族や医師などの自分の生活において重要な人々と安全に共有できるようにし、また大切な人の健康のトレンドに関する洞察を得られるようにします。さらに、iOS 15の新しいツールは、個人のヘルスケアデータの変化を確認し、測定し、理解するために利用できます。
「この1年間、健康の重要性が強調されました。私たちは、ユーザーがご自身の健康のために、より積極的な役割を果たすことができるようにしています。経時的な健康のトレンドをより良く理解するための最も包括的な一連の洞察をユーザーに提供する強力な機能を追加しました。世界中の多くの方々が誰かの世話をしています。私たちは、ユーザーが自分の健康な生活に、信頼できるパートナーを持つことができる、安全でプライバシーが保護された方法を提供したいと考えています。これらの革新的なツールを直接ユーザーの手に届けられることを大変嬉しく思っています」と、Appleのチーフオペレーティングオフィサーのジェフ·ウィリアムズは述べています。
ヘルスケア共有
iOS 15では、ユーザーは自分の健康とウェルネスのデータを大切な人に安全に見せることを選択できます。これにより、共有された人が重要な警告や経時的な変化を把握することができ、離れた場所からでも、より有意義な会話をしたり、サポートすることが可能になります。
ヘルスケアアプリケーションでは、新しい「共有」タブにより、ユーザーは自分のデータを信頼しているパートナーや介護者とプライバシーが保護された方法で共有できます。活動量や心臓の健康データを家族と共有している高齢の親でも、妊娠可能期間の洞察の共有を選択しているパートナーでも、あるいは理学療法士と歩行データを共有したいと思っているパーキンソン病の患者でも、ユーザーはどのデータを誰と共有するかを完全にコントロールできます。この情報を受け取った人には、重要な洞察やトレンドが強調された状態で共有データが表示されます。
医師との診察中に日々の活動に関して有意義な会話をすることは、健康を管理する上で重要なことの1つですが、細かいことまで覚えているのは難しい場合があります。ユーザーの許可により、ヘルスケアアプリケーションは貴重な情報を記録できるため、次の診察までの間にそのユーザーが体験したことを補足するのに役立ちます。これにより、米国のユーザーは、より情報に基づいた会話をするために、心拍数や、検知された転倒、睡眠時間、運動時間など、特定の種類のヘルスケアデータを医師と共有することを選択できるようになります。対応している医療機関では、ユーザーが電子カルテシステムに直接共有することを選択したAppleヘルスケアアプリケーションのデータを、医師が確認することができるようになります。
トレンド
ヘルスケアアプリケーションに、安静時心拍数から睡眠、心肺機能にいたる20種類のデータのトレンド分析が追加され、ユーザーはある指標がどのように推移しているかを簡単に確認することができます。個人の健康維持における重要な部分は、健康状態の変化を把握することですが、その変化は微妙で見逃しやすいものです。経時的な自分のデータの変化を確認したいユーザーにとって、「トレンド」は、重要な変化を賢く積極的に強調し、情報を理解しやすい形で表示する新しい方法です。
ユーザーは、ランニングの距離やマインドフルな時間を増やすといった目標をタブに保持することもできます。インスリンの投与などの分野にわたる洞察をモニターしたいユーザーには、トレンド分析はヘルスケアアプリケーションに接続された他社製デバイスからのデータに適用されます。
オプションの通知を利用すると、「トレンド」で健康上の長期にわたる変化を強調できるため、ユーザーは目標に近づいたことを祝ったり、医師や介護チームと話し合ったりすることができます。
歩行安定性
毎年、3,700万人以上の人が転倒によって治療を必要としており、転倒は、より深刻な状況や自立できなくなる状況への転換点となりうることが多くあります1。iPhoneの「歩行安定性」は、業界で初めて、ユーザーがiPhoneを携行して歩いている時に重要な歩行データを取得することで、転倒リスクに関する洞察を提供します。現在、転倒リスクは、介護提供者によって質問表や対面調査を通じて評価されています。「歩行安定性」は、日々の動きを取得してヘルスケアアプリケーション内で「OK」「低い」「とても低い」という分類を表示する追加機能を提供し、ユーザーが転倒のリスクを軽減するための対策を積極的に取れるようにします。
「歩行安定性」はカスタム設計のアルゴリズムを使い、iPhoneに組み込まれたモーションセンサーを介して、バランス、安定性、筋肉の協調を評価します。この種で初めてとなる、この指標は、Apple Heart and Movement Studyからの実世界のデータを利用して作成されています。Apple Heart and Movement Studyには、全年齢層の10万人以上が参加しており、これまで転倒リスクの研究に使用された中で最大のデータセットです。
転倒リスクの可能性をユーザーに警告することに加え、「歩行安定性」はユーザーが安定性の目標を達成するために役立ちます。ユーザーは、自分のスコアが「低い」または「とても低い」場合に通知を受け取ることを選択でき、筋力とバランスを高めるための臨床的に検証された方法に基づいた、厳選された運動方法を視覚的に見ることができます。
プライバシー
プライバシーは、Appleのヘルスケア機能すべてにわたる設計と開発の基礎にある理念です。ヘルスケアデータはユーザーの管理下にあり、どのデータの種類を誰と共有するかの選択について細かくコントロールできます。データは、通信中や、パスコードやFace ID、またはTouch IDでロックされているユーザーのデバイスに保存されている間は、暗号化されています。ユーザーが情報を大切な人や医師と共有することを選択しても、Appleはこの情報にアクセスできません。
その他の健康とウェルネスのアップデート
- iPhoneのヘルスケアレコードに強化された検査の体験が導入され、ユーザーは検査結果を簡単に確認できるようになります。ユーザーは自分にとって最も重要である可能性がある結果を強調表示したり、ピンで固定したり、検査結果が基準値内にあるか否かを確認することができ、米国のユーザーは一般的な検査結果に関する理解を深めるコンテンツにアクセスすることができます。
- watchOS 8により、Apple Watchは睡眠時の呼吸数、つまり1分間あたりの呼吸回数を計測できるようになりました。ユーザーはヘルスケアアプリケーションでこの情報を確認でき、有意のトレンドが特定された場合に通知を受けることができます。
- watchOS 8の新しいマインドフルネスアプリケーションには、深呼吸の体験によるリフレッシュと、心を落ち着かせ、おだやかな状態でいるためのもう一つの簡単な方法も含まれています。呼吸セッションでは、ユーザーにペースを落として集中するためのより多くの機会を提供し、新しいアニメーションも用意しています。前向きな考え方に集中することをサポートする、よりマインドフルでいるための方法である新しい「リフレクト」セッションも利用することができます。
- iOS 15には、世界中のユーザーが直接ヘルスケアアプリケーションに予防接種の医療記録や検査結果を保存するための追加オプションがあります。これにより、ワクチン提供者や医療機関が現状ではヘルスケアレコード機能に対応していない場合でも、患者は検証可能なCOVID-19の予防接種または検査結果の記録をオンラインのブラウザやQRコードからダウンロードできるようになり、いつでも簡単にアクセスできるようになります。
提供について
iOS 15のデベロッパ向けプレビューは、本日より、developer.apple.comを通じてApple Developer Programのメンバーに提供されます。iOSユーザーに対しては来月中にパブリックベータ版がbeta.apple.comで提供されます。新しいソフトウェア機能は、無料のソフトウェアアップデートとして、今秋、iPhone 6s以降を対象に利用可能になります。「歩行安定性」は、無料のソフトウェアアップデートとして、今秋、iPhone 8以降を対象に利用可能になります。提供される機能は変更される場合があります。一部の機能は、国や地域、言語、またはデバイスによっては利用できない場合があります。詳細については、apple.com/ios/healthをご覧ください。新しいマインドフルネスアプリケーションと睡眠時の呼吸数の指標は、今秋、iOS 15が搭載されたiPhone 6s以降とペアリングされているApple Watch Series 3以降を対象とした無料のソフトウェアアップデートとして、watchOS 8で利用可能になります。
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iOS 15の新しいヘルスケアアプリケーション機能の画像
- 世界保健機関（WHO）、who.int/news-room/fact-sheets/detail/falls。